2019三宅島エンデューロレポ

オフロード

まだまだ去年のレポですが‥、2019年11月8日(金)~10日(日)、三宅島エンデューロレースに行って来ました。
三宅島に行くのは2年振り、回数的には3度目のレース。 過去2回はCRF100Fで走りましたが、2回共クラッチをダメにしちゃって途中でストップ。 何とか直して騙しながら走り切り、一応ゴールはしたものの、2回共不完全燃焼だったんです。
‥で、今回はCRF125Fなんですけど、目標はズバリ!「完走」なのでした。


~~~~~~~~~~
11月8日(金)、14時過ぎ。
まずは、辰巳埠頭にてバイクの車検&積み込みと、荷物の梱包。
過去2回の経験を元に、レース後の着替えや靴、半キャップのヘルメット等詰め込んで、そして、雨に降られた時に荷物が濡れてしまわない様、それぞれ完全防水のバックやビニール袋に入れておきました。
勿論、必要工具とウエス、そして最後に思い出してペットボトルの水を1本、荷物に加えておきました。
その後、集合時間の20時に竹芝に行き、受付をしていると、モタードの時の知り合いのキシザワさんと、シマオさんに会いました。 何年振りだろ~? 超~懐かしい♪
話を聞くと、今年キシザワさんはトライアルIASのノザキ選手とチームを組んで、セロー250で走るそうで、シマオさんはアミーゴとチームを組んで、CRF125で走るとの事。 どっちのバイクも所有しているみっちーにとっては、とっても興味深いお話でした。

ブリーフィング後、いよいよ出発~。
まだ新しい東海汽船「橘丸」。

今回、旦那さまの付き添いはなく一人で申し込んだのですが、寝るだけだから二等の雑魚寝部屋でいいや~って、グレードアップしなかったけど、一人で参加するならば船だけは寝台ベットにしておいた方が良かったな。
あんまり寝付けないままに、朝5時頃に三宅島に到着して、そのまま宿へ。
ちなみに、お部屋は知り合い(サチコさん)と一緒だった上、キシザワさんやノザキ選手や、ゴトウさん達とも同じ宿だったので、2日間楽しく過ごす事が出来ました。
しかーし、船であまり寝付けなかったみっちーは、少ししっかり寝ておかないと‥と、耳栓とアイマスクを使って仮眠したら、がっつり寝過ごしてしまいまして、、宿の女将さんに起こされたのが8時前!
8時半にはバスが迎えに来るって言うのに!! マジでピンチ!!
サチコさんと二人でもの凄い勢いで支度して、朝ご飯を掻き込んで、何とかお迎えには間に合わせたけど、危なくDNSになる所でした。(苦笑)

第1パドックでバイクを受け取り、小雨の降る中レース会場へと移動。

‥で、コースに着くと、そのまま1周目の下見走行に入るんで、この流れを分かってないとアタフタしちゃうんですよね~。
とりあえず、タイヤエアーだけはその場で計れる様に、ウエストバックに入れておきましたが、コレマジで必須です。

しかーし、防水のウエストバックを過信して携帯電話も入れていたら、どこからか水が入ってしまった様で、危ない状態になっていました。 あのウエストバックの防水は、信用できない。
とりあえず、無事に1周の下見走行から戻って来て、バイクを見るとかなりチェーンがパツパツに‥。
マディゆえ、火山灰のザクザク石が噛み込んで、チェーンの遊びが無くなっちゃっていたんです。
本来ならば、チェーンの調整をし直す事が最優先‥なんですが、開会式が始まるとのアナウンスが掛かっていた事、台風並みの暴風雨、泥だらけのバイク、そして、チェーンのアジャスターが曲がっていて思う様に調整できない事も頭によぎって、そのままにしてしまうのでした。
開会式。
ご挨拶が色々続いていましたが‥

冷えた体に冷たい雨。 全身ずぶ濡れ状態で、ただひたすらに全ての事に耐えている状態。。

ちなみに、小池都知事は、ヘリが飛ばないため来れない‥って事で、いらっしゃいませんでした。
石原さんの時も、猪瀬さんの時も、そして小池さんの時も、私が三宅島に行った時はタイミングが悪いのか?誰にも会えた事が無いんですよね~。
そしていよいよ、2時間半のレーススタート!

スタート直後の上り坂のスタック渋滞に一瞬巻き込まれながらも、何とか脱出。 とりあえず、1周目からやらかしちゃうと残り時間に影響するので、とにかく慎重に、丁寧に。
しかーし、やっぱりミニにとっては、最後の展望台への上りがネックで‥

コンディションが良い時でもここは大変だ‥って言うのに、コンディションが最悪な上、秒速10メートルを超える風。
拭きっ晒しの山の上、あともう少しで登頂できる‥ってトコなのに、強風で押し流されてしまうのよ。。
左から右に吹く風に押されて、どんどんラインが外れてしまい、右側の斜面に入ってしまうと、ジ・エンド。 ザクザクとした土にリヤが潜ってしまうので、もうそこからじゃ、リカバリーは無理な状態。
ミニはみんなココでヤラれてしまうのよ。。

‥で、過去2回は、ここで足掻いて頑張り過ぎて、結局クラッチを焼いちゃっていましたが、3度目となる今回は無駄な足掻きは致しません。
ダメだと思ったらさっさと諦め、一度下まで下りてから、助走を付け直して再チャレンジ!
まぁ、大抵2回目には成功するんで、その繰り返しで何とか頑張っておりました。
ちなみに、毎回1回目は失敗するけど、2回目は成功したんですよね。 何でだろう‥って不思議に思っていたんだけど、途中でその理由に気が付きました!

普通に走って来て坂を上ろうとすると、坂の右寄り、もしくはせいぜい真ん中辺りから上り始めてしまうんですよね。 それが、やり直して上る時には、コーステープの外側から下りて行き、黄旗を振ってるマーシャルさんの後ろを通ってコースに戻って上り始めていたから、坂の左端からスタートしてたんです。
それゆえ、左から吹く風に押し流されても、どうにかコース内で留まったまま上り切れた‥って言う理論。
もっと早くに気付けよ~!って感じですが。 気付いたのはレースが終わってからでした。(笑)
ただ、展望台の大坂以外は、そこそこミスなく走れる様になっていて、少しだけ自分の成長も感じる事も出来ました。

それでも、時間の経過と共にコースも荒れて、出来る事も出来なくなって来たりして‥
特に、序盤、延々と続くヤチの所では、ラインを選んで深みを避けながら走ってたのですが、バランスを崩してうっかり足を着いた所が思いっきり深くて、右手と右脚がどっぷりと泥に浸かってしまうのでした。

もう、手の平がドロドロでスロットルも回せなくなったので、グローブ交換する為に、一旦ピットに戻る事にしました。
4周目の事でした。
雨は降ったり止んだり。 風は相変わらず強いまま。

展望台への大坂を必死で上り、潜りかけたリヤタイヤと必死に格闘。

最後、力技で何とかバイクを引き上げて‥

何とか上り切れたよ。。 はぁ。。

降ってた雨が一瞬止んで、薄日が差しかけて来てました。
そして、空に‥

空に‥!

虹がぁ~~♪♪

‥って、坂を上っているライダーにとっては背後の景色だったから、気付いていない訳ですが、その頃、みっちーはピットに戻ってグローブの交換をしておりました。
ピットのテーブル近くで、バイクを立てるのも一苦労。 サイドスタンドの下に敷く板も、必需品ですね。
ペットボトルの水で汚れた手を洗って、ついでに、グリップとシートの泥もちょっと流して、再出発しようと思ったその時、気になっていたチェーンもチラっと見たんです。
スタート時にはパツパツ状態だったチェーンに、遊びが出来ていたんですよね。
でも、その事を異常に思う事は出来ず、「あ~、チェーンが伸びたんだ。 遊びが出来て良かったな~。」 くらいにしか捉えられず、5周目に入ってしまうのでした。
今思えば、あそこでリヤホイールに水を掛けて、泥を流してチェーンを確認していれば、もう少し結果は変わったかもしれないんだけど‥。
それが出来なかったんですよね。
それが全ての敗因です。
そんな訳で、グローブの交換をしただけでピットアウトした訳ですが‥、最初の坂を上った時、目の前に感動の光景が広がったんです!
今まで見た事もない様な、めちゃめちゃ綺麗な虹!!
真っ青な空に、島の端から端まで掛かるくらいの大きな虹!!
もうね、感動なんて言葉では言い表せないくらいの「感動」でした。
ホント、ここまでマジで辛かったけど、この景色を見れた事で全てを忘れられる‥って思ったくらい。
でも、それはホンの一瞬の出来事で、坂を下ってもう一度虹を見ようと振り返ったら、影も形も無くなっていて、その後再び雨が降り出し、グレーの空に逆戻りしてしまうのでした。
事件が起きたのは、その10分後くらいでした。

泥沼のヤチにて、またしても足を着く場所を間違えて、今度は左に転倒~。 左半身が泥漬けになってしまうのでした。
せっかく替えて来たグローブも、一瞬で泥まみれ。。
もう、テンションも駄々落ちです。。

カラフルだったウエアーも、黒一色になってるし。
そんな中、少し前から気になってる事がありました。
タイヤの回転に合わせて、バチン、バチンと少し音がしていたんです。
でも、まぁ、それはヤチを通過する時だけで、泥の中を走っていると、泥を噛んでチェーンが張るから、よくある事ではあるんだけど‥。 それにしても気になる音‥。
すると、泥の中でチェーンが外れたのでした。
「あ~、チェーン外れちゃった。。」
直そうと思ったけど、上手く直せずモタついていたら、後ろを走っていたお兄さんが下りて来て、はめ直してくれました。
お礼を言って、再スタート。
しかーし、再び数メートルも走らないうちに、チェーンが外れた‥。
また、はめ直して頂いて‥、走り出すけど、また外れる‥。
その間、ずっと付き添って下さっていたお兄さん。
流石にちょっとおかしい‥って事で、泥のコースからバイクを引き出し、状態を見てみると‥、何と!スプロケを留めているボルトが脱落しちゃってて、スプロケがグラグラになっていました。
4本のうち2本は完全に無くなってて、もう1本はナットが無くて、辛うじて付いていたのは1本のみ。 しかも、それも緩んでる‥。
「終わった‥。」 って一瞬思ったんですが、スタッフさんが、「残ってるボルトを締め込めば、バドックまでは戻れるかも‥?」 と。 「展望台の所まで行けば、自分の工具セットがあるから。」 と。 わざわざそれを取りに行ってくれたのでした。
約15分後、スタッフさんがペットボトルのお茶3本と、工具を持って戻って来てくれました。
そして、そのお茶をスプロケにかけて泥を落とし、1本のボルトを締め込んでくれました。
これで、何とか戻れれば‥と、走り出してみましたが、やはり数メートル先でチェーンが外れてしまうのでした。
そして、その時、気付くのでした。
「スプロケじゃない‥! ハブが割れてる!!!」
そう、スプロケがグラつく原因は、そもそもハブのボルトの穴が割れてしまっていたから‥でした。 ボルトは抜け落ちたんじゃなくて、割れて外れたんです。
後日撮った写真ですが、こんな感じ。

「もう、これは無理だ‥。」
みっちーは、ここで全てを諦めました。
ちなみに、ボルトの穴だけでなく、カラーの部分も見事に破損してましたね~。

レース時間は、この時点で40分以上残ってました。
普通に走行していたら、この周戻って5周となり、少なくともあと1周は走れていたかもしれないのに‥。 あまりの無念さに、しばし放心。。
偶然にも同じ場所で、サチコさんがKXのクラッチをダメにしちゃって止まっていたので、二人でレースが終了するのをひたすら待つ事になりました。
本当に、寒くて、寒くて、凍えそうになりながら、ひたすら耐え続けた時間。
レース時間が終了しても、まだコース内に人がいる‥って言う事で、動く事を許されず、撤収作業に入れたのは、更にそれから40分後となりました。

スタッフ3人掛かりで泥のコースから押し出して、軽トラが来れる場所まで来ると、撤収待ちの人が数人、既にお迎えを待っていました。
暫くして、1台の軽トラがお迎えに来てくれましたが、もう、本当に嬉しくて‥、運転していた白髭のおじ様が、白馬に乗った王子様に見えました。
とりあえず、最初に待っていた方とみっちーのバイクを軽トラに載せ、ライダー4人がその隙間に乗り、パドックへと向かいましたが、舗装路に出るまでのガレ上りが、半端なくスリリング~。
バイクのタイダウンが緩んだ瞬間、バイクと共に軽トラから落っこちるかと思いました。(笑)

それにしても、あんなガレ場を走れるなんて‥、4駆の軽トラ、最強だわ。
しかーし、大変だったのはココから!

やっとこパドックに戻るやいなや、お昼ご飯のお弁当を受け取ると、「10分後にバスが出ます。」 ‥と。
帰る術を失っているみっちーとしては、そのバスに乗せて貰わないといけない訳で、でもその前にコンテナに積む荷物の整理もしなくちゃいけない。 ‥っつーか、その前に着替えたいぃ~。
正直、ちょっとプチパニック。
ちなみに、この時パドックで一番欲しかった物が、手洗い用の水! 2Lのペットボトルじゃ全然足りない。 中身が無くなったら畳めるタイプの蛇口付き容器に、出来るだけ多めに用意しておくべき‥って思いました。
とりあえず、持っていた僅かな水で手だけ洗って片付けをし、殆ど人が居なくなったパドックにて泥のウエアーを脱ぎ捨ててカゴに詰め込み、動き出してたバスに向かって走ったのでありました。
まぁ、普通にゴールしていたって慌ただしい三宅島のタイスケなのに、この状況‥慌ただしくならない訳がない!
結局、バスには乗れたものの、楽しみにしていた伊勢海老のお味噌汁もお弁当も食べられず、空腹と寒さに震える時間は更に続くのでした。
そんなこんなのドタバタ劇はあったものの、どうにか第1パドックまで戻って来て、そこで再度お着替えをした訳ですが、女性用のお着替えルーム(テント)が出来ていた事にちょっと感動しちゃいました。 以前は、コンテナの陰でヒヤヒヤしながら着替えてましたから。
‥で、ある程度の汚れ荷物は、ビニール袋に入れてバイクを一緒に積んで行って貰えるのですが、この時、しっかりとビニール袋にゼッケンと名前を書いておく事がとっても重要!!
「自分のバイクスペースの所に置いておけばいい。」 って言われたので、そのまま置いてしまっていたら、最後、辰巳埠頭で受取る時に自分の袋が見当たらなくて、結構焦ってしまいました。
~~~~~~~~~~
その後、体育館にて祝賀会&表彰式。

悪天候で来れなかった小池知事から、ビデオレターが届いてました。

雨風がしのげる屋内に入れて、やっとゆっくり椅子に座れて、ホッと一息。。

アミーゴ&しまおさん。 華があって可愛いんだわぁ。

‥で、レース結果ですが、チェッカーフラッグを受けなかったらリタイヤになるのかと思ったら(去年そうだったと聞いたので)、今年はチェッカーを受けられなくても周回数で成績を残せてもらえた様で、チャレンジ150ccクラスにて5位に入っていました。

ちなみに、前回参加した時は6位まで表彰があったのですが、今年は3位までとの事。
せめて5周走れていたら、ミニクラスでもレディースクラスでも入賞出来てたかと思うと、走り切れずに終わった事がとってもとっても悔やまれました。
まぁ、でもリタイヤ扱いにならずに結果を残せて貰えたんだから、有り難いと思わなくちゃ‥かな。
来年こそは絶対に三宅島完走するぞ~!と、固く心に誓うのでした。
~~~~~~~~~~
そして、夜。 宿に帰ってからの事。
色んな話で盛り上がりながら楽しい時間を過ごしてましたが、ふと、「虹、見ました? 凄かったですよね~!」 って言ったら、みんなにキョトンとされたんです。
「あの暴風雨の中で虹なんて‥。」 って、誰一人として見ていた人が居なかったの。
更には、辛さのあまり、「幻覚でも見たんじゃないの~?」 って、みんなに笑われる始末。
その後も、会う人会う人みんなに虹の事を聞いたんですが、ライダーで「見た」って人には会う事が出来ず、完全にみっちーの幻覚疑惑が深まったのですが、唯一カメラマンさんがその一瞬を見逃さず写真を撮っておいてくれたお陰で、帰り際に疑惑を晴らす事が出来たのでした。
天候も悪く、マシントラブルもあって、本当に大変なレースだったけど、それだけ沢山の思い出が出来た‥って事で。 色んな人との出会いや再会満載の、とっても楽しい3日間を過ごす事が出来ました。
次回は、セローで挑戦してみようかな‥。 流石にもう、あの大坂は非力なCRF125じゃ辛過ぎるので。(笑)
三宅島4度目のリベンジを目指して、今年こそ頑張りたいと思います♪

0
タイトルとURLをコピーしました