H.T.D.E・1日目(前編)

オフロード

9月16日(土)、いよいよ「H.T.D.E」1日目のレースが始まりました。


本部正面のトラック荷台には、大きなモニターがありまして、メイン会場での進行や、クロステストを走っているライダーが映し出される訳ですが・・
そんなモニターの目の前に、TEAM Rabbit のパドックはありました。

受付からも、車検場からも、一番近い一等地です。
ちなみに、前の日のレポで書き忘れてしまいましたが、コース下見から帰って来た後、みっちーは前日車検を済ませており、セローは既にパルクフェルメ入りしてます。

前日車検にするか、当日車検にするか、ちょっと悩んだんですけど・・(前日だと、一晩野ざらしになる上、朝エンジンを掛けられない。 当日なら、朝エンジン掛けて暖気した後にパルクフェルメに入れられる。)、まぁ、セローなら、朝エンジンが掛からない・・って事も無いと思うので、前日に受けてしまいました。
今年は何の問題もなく、バイクも装備も一発クリアでしたよ~♪

ちなみに、2ストに乗る選手は、当日車検にしていましたが、よりによってそっちの方で色々トラブルが発生して、ちょっとしたドタバタ劇がありました。
パルクフェルメに並べられた、選手の車両。

そして、今日走るコースのルートマップ。 1周82kmです。

いよいよ、これから2日間のレースが始まるのでした。
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スタート前にTEAM Rabbit のメンバーで、記念撮影をしました。

・・でね、この時にオータ社長が、写真を撮って下さったカメラマンさんをみんなに紹介してたんですよね。 世界的に有名なカメラマンさんなんだ・・って。
オンタイムエンデューロのスタートは、ヨーイドンで一斉に・・って感じではなく、2~3人ずつのグループで静かに始まって行きます。
速い選手のクラスからスタートをして行くので、みっちーの居るCWクラスは一番最後のスタート。 IA選手がスタートしてから、大体50分後くらいになります。
そんな訳で待ち時間も結構長く・・、最後に残ったCWクラスの女性ライダーで、記念撮影しました。

今回は、関東から3名(まくさん、すーちゃん、みっちー)と、地元北海道の選手が2名です。
時間になったらゼッケン呼ばれて、パルクフェルメからバイクを出して、ワーキングエリアでタイヤエアーチェックして・・

そして、いよいよスタートラインへ。

同じグループでスタートするのは、まくさんと、すーちゃん。 関東組3人となりました。
スタート時間に旗が振られ、エンジンを掛けて、とりあえず20mの規定ラインまで移動して・・、今回は、その後すぐにクロステストがありました。

手前で少し暖気する為に停止して、暖まったかな・・って所で、いよいよタイムアタックです。

今までは、誰か行くのを待ってから自分も行く様にしてたんですけど、社長から、「最初に行け!」 って言われていたので、今回は迷わず一番に走り出して行きました。

まだまだ水分をたっぷり含んでいるスキー場は、スリッピーな状態なんで、とにかく転ばない様に・・、慎重に。。

でも、上りのゲレンデもまだまだ荒れていなかったし、下りのキャンバーもゆっくり行ったら転ぶ心配も無かったし、とりあえず、無事に1周回って来る事は出来ました。

タイムは、7分27秒35。
これがクラスの中でどのくらいの位置付けなのか、全く分からないままに、次の目的地となるTC1へと向かうのでした。
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TC1までの持ち時間は、89分程ありました。 距離の目安だと30キロちょっとになるのかな?
スタート前に区間距離も教えて頂いたのですが、セローのスプロケを換えてる事で、メーター表示が正確でない為、トリップメーターは使わなかったのですが・・、誤差を事前に調べておいて、トリップメーターも併用すれば良かったな・・と、後になってから思いました。

TC1までのルートは、パリティを出てから岡春部川を渡って、その後、三岡林道から岩内林道、サンナコロ林道を走るルートなんですが、日高2回目のみっちーには、マップだけでは全然イメージが沸いて来ないのでありました。
序盤の川渡りは、とりあえず無難にクリア。
その後の林道は・・、一昨年よりかは大分マシに走れる様になったけど、基本的に林道慣れしてないもんだから、リズムよく走る事が出来ないんですよね。。 何か、とっても下手っぴ。。
そんな中、すーちゃんはめちゃめちゃ林道が速くて、上手で・・、ちなみに、すーちゃんはバイク屋さん(ガレージハイブリッド)にお勤めしているメカさんなんで、お店のお客さん達との林道ツーリングとかにも良く行くそうで、引っ張り慣れをしている・・って言うか、とにかく先導が上手なの。
そんな、すーちゃんの後姿を追い掛けながら、少しずつ林道の走り方を学ぶみっちーなのでした。
そして、到着したTC1。
時間設定も少し緩やかだったせいか、予定時間よりも15分以上余裕を持って、到着する事が出来ました。

チームサポーターのみんなが待っていてくれて、給油したり、飲み物や食べ物を出してくれたり、至れり尽くせりな感じです。
そんな中、クロステストの結果が微妙に気になっていたみっちーは、その事を社長に聞いてみたんだけど、「そんなの気にするな!」 って言われちゃったんですよね。
「気にするな」・・って言う事は、良くなかった・・って事なのかな、って、更に落ち込むみっちー。
そこへおかみさんが来て、こそっと携帯でライブリザルト調べてくれて・・、そしたら、「1番よ♪」 って。 「1人だけ7分台で、あとはみんな8分台とか9分台だから、大丈夫よ。」 って、結果を教えて下さったの。
それを聞いて、かなりホッとした・・って言うか、ちょっと元気も沸いて来て、「よし! 頑張ろう!」 って気になって、次に向かう事が出来たのでした。
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TC1を出発して、TC2までは、一般道を移動するだけの短い距離。 持ち時間も10分です。
勿論、10分も掛からない程度の距離ですが、あえてこう言う時間設定にしておく事で、一般道を安全に走らせる・・と言った狙いがある様です。
でも・・、あまり安全に走っていると、ペースの速い地元のダンプとかに煽られて、怖い思いをする・・って事もありますが。
復旧工事で忙しい中、チョロチョロ走るオフロードバイクは目障りだったんだろうなぁ。。 きっと。
そんな感じでTC2に到着すると、ここからはエンデューロテストが始まります。
「ET-IN」がタイム計測のスタート地点で、「ET-OUT」がゴール地点。 でも、ゴール後も、TC3まではルートは続いている状態で、TC3までの持ち時間は45分になっていました。

ちなみに、エンデューロテストの後半と、その後のルートは、パンケ川をずっと下って行くルート。
雨の場合には、貯木場から丹水橋までのルートはカットされる様でしたが・・、この日は当然使う訳で・・、
ちなみに、一昨年は雨のレースだった為、川は大幅にカットされててそんなに走っていない為、正直ここの川下りは、みっちーにとって未知の世界なのでした。
エンデューロテストは、すーちゃんが先頭を切ってスタートしました。 そして、その後ろを追う様にみっちーがスタート。
少しでも追い付ける様に・・と頑張ってみたけど、その差はグングンと開く一方で、すーちゃんの気配はあっという間に無くなって行くのでした。
それでも、後ろから追い付かれる事は無かったから、極端に遅れは取っていないかな?・・と。 勝手に推測してみたり。。
ちなみに、タイムは11分17秒36。 すーちゃんは、やっぱり速くてダントツの10分台。 11分台は3人でしたが、辛うじてみっちーが2番タイムとなっていました。
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その後のルートは、延々と川渡り・・。
正直、地面を走ってるうちは、路面にタイヤの跡が残っているから、多少道が分からなくても、タイヤの跡を辿って行けば迷う事は無かったんです。
でも、川だと・・、タイヤの跡も残らないから、正直、道がどっちに続いているのか分からなくなってしまうんですよね。
ここがルートなのかどうかも分からなかったり、道を間違えたんじゃないか?って不安になったり、でも、刻々と時間は過ぎてしまうから、とにかく前に進んで行かなきゃならないし。
道がどう続いているのか分からなかった時なんかは、バイクから下りて、川に入って、深さを確認したり、その先に続いているかも確認したり、本当に、めちゃめちゃ慎重に走っていました。
渡れるのか確認しながら前に進んでいるのを見て、「慎重だねぇ。」 って、他の選手にも笑われるくらい。

でも、段々そんな川渡りにも慣れて来て、「結構、行けるもんだなぁ。」 なんて思いも沸いて来て・・、そして、最後の川渡り。
上に橋が見えたんです。

そして、川の向こう側にはカメラマンさんが居たんです。
ここでも、道がどっちに続いているのか分からなくて、立ち止まって考えてたら・・、後ろから来た地元の選手が、躊躇なく渡って行ったの。

そっちだったか・・。

ライン1本、来過ぎちゃったなぁ・・って、正直思ったんですけど、後ろの選手も来ちゃったし・・、カメラマンさんが居る前でバイクから下りて確認するのも、何かカッコ悪いし・・とか、色んな想いが働いちゃって・・

本当は、あと1m・・隣のラインに移動させれば良かったのに・・
行ける・・って思って、走り出しちゃったんですよね。。

しかーし、
一本隣の・・そのラインは、やはり正解では無かった様で・・
水の中にあった石と窪みで、バランスを崩してしまうのでありました。

咄嗟に着いた右足で、何とか持ち堪えはしたものの・・

風が吹いても倒れるくらいのギリギリのバランスは、無情にも川の流れであっという間に押し倒され・・
セロー、水没。。。

咄嗟にキーをオフにして、すぐさま起こし上げたけど、この一瞬で日高の全てを棒に振った事を察し、血の気が引いて行くのでした。

押そうとしたけど、バイクの右からじゃバランス悪くて再び倒しそうだったんで、とりあえず、バイクの左側に移動。。

後ろから来た他の選手も、川から出すのを手伝ってくれました。

とりあえず、対岸までバイクを移動させた後、他の選手は先に進んで行った訳で・・、ここからは、一人で何とかしないといけない。。

恐る恐るキーをオンにして、セルを回してみた所、辛うじてエンジンは掛かった!
・・が、スロットルをちょっとでも回すと、ブブブブ・・・と。 全く吹け上がらない状態。

この時、TC3までの残り時間は18分程ありました。 でも、TC3の場所が何処かは、把握出来ていませんでした。
とにかく、吹け上がってくれない事にはどうにもならない・・って思いにかられ、ただひたすらにスロットルを微妙に回して様子伺いを繰り返し、時間を費やしてしまうのでした。
もっと、自分に知識と行動力があれば、この時間に水抜きをするとか・・何か出来たのかもしれないけど、、
見かねたカメラマンさんが寄って来て、「プラグキャップ抜いてみたら?」 って言って下さったので、抜いて見たら結構水が入ってた訳で・・、その水を拭くウエスすら、水没でビショビショになってて使えなくて・・
・・で、カメラマンさんが自分のハンカチを貸して下さって、プラグキャップに溜まった水を拭いてみたけど・・
でも、やっぱり、吹けない症状は変わらない。
多分、エアクリーナーが水吸っちゃっているんだろうなぁ・・とは思ったけど、セローのエアクリは紙のやつなんで(スポンジだと絞る事が出来るけど)、どうにもならない・・って思った訳。
・・で、刻々と無くなって行く持ち時間。
残り時間もあと数分・・ってなった時、とりあえず、遅着だけは避けたい・・と思って、セローをその場に置いたまま、タイムカードだけ持って歩いて進んでみたのでした。

すると、本当に、目の前の坂を登った先にTC3のテントがあって、タイムチェック待ちの選手も10人くらい居たんですよね。
・・って、今思えば、もっと早くに行動を起こしていれば、時間に余裕があったチームメイトにバイクを押すのを手伝って貰えたかもしれないし、人手があれば、バイクひっくり返して水抜きする・・って事も出来たかもしれないのに・・。
本当に、判断力が無かったなぁ・・と。
ただただ、後悔に駆られるのでした。
ま、そんな訳でTC3にオンタイムでタイムカードを持って行って、水没させちゃってバイクを動かせない事を、スタッフに伝えてみた訳でありますが、
「フロントタイヤをこのラインに持って来て貰わないと、タイムは記入できません。」 と言われてしまったのでした。
もう、絶望感しか漂ってない。。
とてもじゃないけど、この坂を押せる気がしなかったけど、とりあえず、やるだけの事をやらなければ、前に進む事が出来ない。

何とか、この上にある橋の所まで走れれば・・

と、思ったのですが、
最初のヤチに入った瞬間、全く身動きが取れなくなった。。

もうダメか・・って思ったけど、必死になって押しながら、何とか頑張ってヤチを脱出。
しかーし、その後は悪夢の上り坂。。
エンジン回転は、アイドリング+500回転くらいしか回らなくて、殆どセローの重力を支えるか否か程度のもの。
それでもまだ、回転数があるだけマシで、人力と動力を駆使しながら必死に押し上げておりました。

最後の傾斜が更にキツくなっていて、プルプルしたまま硬直状態が続いており・・、スタッフさん達も、そんなみっちーを見守る事しか出来ない訳で・・

重いセローを、必死になって押し上げて、何とか・・何とか・・TC3まで持って行った。。

このタイミングで、遅着2分。
頑張ったよ。
・・で、水没をした時点では、もうね、レースはリタイヤだろうな・・って、半分諦めていたんですよね。 でもね、必死に坂を押し上げている間に、どうしても諦めたくない・・って思いが芽生えて、丁度そこにいらしていた中西さんに聞いてみたんです。
「ここからバドックに戻ってバイクを直して、60分以内に戻れたら、レースに復帰しても大丈夫ですか?」 って。
失格になる遅着タイムリミットは、60分ある訳だから、ダメかもしれないけどそれに賭けて、やるだけの事はやってみたい・・って思った訳。
でも、そもそもレース中にパドックに戻る事が許されているのかどうか?
すると、「途中でパドックに戻っても、同じルートまで戻ってやり直しをすれば大丈夫。 60分までは失格にならない。」 と、教えて下さったのでした。
幸い、TC3から高原荘までは、そう遠くない。
大した土地勘がある訳では無かったけど、ここからパドックに戻る道なら覚えてる。
アイドリング程度しか使える状態では無かったけど、アスファルトの上であれば、乗って走る事は出来た。

そんな訳で、歩く様なスピードで路肩寄りをゆっくり走りながら、交差点では大事を取って二段階右折までして(笑)、パドックのある高原荘へと向かうのでした。
つづく

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