H.T.D.E.1日目(後編)

オフロード

1日目レースのレポの続きです。
最後の川渡りとぬちゃぬちゃエリアをかわしながら、とりあえず、無事にTC4となる「クリーンセンターTC」に到着したのでありました。
リンクのアルバムにお写真があったので頂いて来ちゃいましたが、ここがTC4です。


ちなみに、TC4には、KTMとハスクのピットがありまして、この場所で途中給油が可能なんです。
・・で、TC85で走っていたら、ここで給油の予定でしたが、ここまでで1時間50分も掛かっていたから、ここに辿り着く前にガス欠で止まっていたんじゃないか・・と。
セローで走っている時は、TC85の方が楽な場所も多いかも・・って思いましたが、オンタイムで走って来ても1時間20分掛かる場所に、MAX1時間30分しか走れないバイクでの出場は、現実問題として厳しかったかと思います。
そうそう、ここに着く直前のぬちゃぬちゃと川の写真、自分じゃないけど、#461コジマさんの写真があったので、どんなトコだったかご紹介です。
ぬちゃぬちゃ・・、結構深いのよ。

でもね、まだ、この日は一日雨が強かったから、泥がシャバシャバでマシだったかもしれないです・・。 (雨が止むと、泥が重たくなるのよ・・。)
川も結構深かった・・。

水が茶色くなっていると、深さが分からないから、突っ込んで行くのが怖いのよね。 水没しちゃった人も何人か居たみたいだし。
ちなみに、このKDXを、今回ウチの車に乗せて日高まで運んで来ました。 当初は、コジマさんは自走で日高まで来る予定でした・・。
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そしていよいよ、TC4からFINISHに向かっての走行です。
この区間の持ち時間は56分ありましたが、その途中にエンデューロテスト(ET)と呼ばれる区間が2ヶ所あります。

その1つ目が「町牧エンデューロテスト」で、前の日の下見で歩いた所ですが、ココがそのスタート地点。

1台ずつスタートして行き、7km区間を1周回って来てゴール。
手前で待っている人が、これからタイム計測する人で、青い車の向こうに居る人がゴールして来た人になります。
・・で、みっちーもスタートして行った訳ですが、ちょっとね、、嫌な予感はしていたんですよ。
TC3の辺りから、速い人達の集団に抜かれ・・、タイムチェックの手前で再び追い付いて・・って事を繰り返してたから、ここでも再びそれが有る事は予想された訳であります。
しーかーも、今まではルート区間だったから、それなりにペースを抑えて抜いてくれたんだと思うけど、ここの区間はタイムアタックの区間ゆえ、マジ走りで抜かれる事になる訳です。
しかも、1台や2台じゃないし。。
タイミングが悪いとは言え、もう、その事にビビりながら走るみっちーでありました。
序盤の比較的広い所で抜かれた時は良かったのですが、その後、熊笹の狭いエリアに入って行き、目の前にちょっとした難所が出現した時に、一旦止まろうとしたんですよね。
止まって、しっかりと行けるイメージを作ってから、スタートする様にしていたから。
しかーし、その事に集中する以上に、後ろから来る選手の事が気になって、周囲の状況を判断するだけの余裕が自分に無くなって・・、それゆえ、何て事なしに、左側の熊笹の地面に足を着こうとしちゃったんです。
しかーし、そこに地面は無かった・・。
熊笹が普通に生い茂ってたから、平地なのかと錯覚したけど、良く見たら左側は斜面だった訳。 あっ・・と思いながら、つま先で必死に地面を探ったけど・・、バランスを崩し始めたセローは、スローモーションの様に熊笹の中に落ちてしまったのでした。
通路の上に辛うじて前後タイヤは残ったけど、完全にハンドル側は下になって、とてもじゃないけどこの角度から起こし上げる事は無理。。
ルート区間だったなら、他の選手も助けてくれたかもしれないけど、1秒を競ってタイムアタックしている区間では、止まって貰える訳もなく・・
更には、辛うじて通路に残っていたタイヤも、通る選手に弾かれて、じわじわと崖に落とされて来るのでした。。
「終わった。。」
そう思いました。
難所でもないその場所に、マーシャルさんが居る訳もなく、助けてくれる選手もいない。 怪我していようとなかろうと、自分1人じゃこの状態でバイクを持ち上げる事は無理。
とりあえず、キーとコックはOFFにして、熊笹の中からポツンと顔を出しながら、徐々に落とされて行くセローを、どうする事も出来ずに眺めておりました。
2~3時間、そのままになるかもしれない・・って覚悟していたんですが、2~3分経ったあたりで、熊笹の向こうから人影が・・。
ぬわんとっ!! 選手の1人がマーシャルさんを2人引き連れ、助けに来てくれたのでありました!
もうね、ホント、涙が出るくらい嬉しかった。。
そんな訳で、男手3人掛かりでセローを持ち上げて下さり、何とかコースに戻す事が出来ました。。
ちなみに、助けに来て下さった選手は、わざわざ止まって下さったのかと思ったら、偶然その先でガス欠になり止まってしまった・・との事で、リタイヤしていたとの事でした。
・・と言う事で、助けて頂き、見送られながら、みっちーはレースに復帰。 走り出して行きました。
しかーし、そこからはマジで難所の嵐でした。
でもね、何か・・ダメだと思った所でも、意外と走り切れたりして、自分が思っている以上にセローの走破性は高かった訳で、、
バイクを倒してしまう事もあったけど、倒した時にはキーとコックをOFFにして、助けて貰える人を待つ・・と言うスタイルに徹したゆえ(笑)、極端に体力を消耗させる事なく、走り続けてられたのでした。
スタッフが4人くらい助けに入ってた上り坂も、最初にトライした右側ラインでは全く歯が立たなかったけど、草のギリギリを走り抜ける左のラインからトライしたら、1発で成功♪
思わず、「やったぁ~~~!!」 って叫んじゃった程だったけど、みんなからも拍手と歓声を頂けて、あの時はホント嬉しかったなぁ。
しかーし、その先に出て来た、長~い上り坂では、ライン上に何台もスタックしちゃっている状態で、あまり選べるラインもなく・・、空いてる所からトライしたら自分もあっけなくハマっちゃって、動けなくなってしまうのでした。
すると、一番下に止まってた人が声を掛けて下さって、「4人で協力して1台ずつ行きましょう。」 って事になり、男手3人+みっちーの4人組でタックを組んだのでありました。
1台バイクを上らせるのに、4人掛かりなら何とかなって行く訳で、とりあえず、坂の中腹の所まで4台のバイクをのせ上げた~。
・・で、そこからは、それぞれに走り出して行ったのですが、、
みっちーは、止めた所が良くなかったせいか、その場所からの再始動が出来なくなってしまったんです。。
そして、それまで何とかなっていた手の平も、バイクを押し続けていた事でかなり腫れて来てしまい、裂けた傷口から肉が盛り上がって来ちゃったの。。
しかも、結構、泥まみれ。。
「腫れる・・って、こーゆー事なんだぁ。。」 と、中から盛り上がって来た肉を見て、思わず思った訳ですが、「肉って意外と白身なんだなぁ・・。」 と。
・・で、先程みっちーを助けて下さったマーシャルさん2人が現れて、再び助けて頂いたので、手を怪我している旨を伝えると、「これは・・、早目に救護に行った方がいいかも。」 と。
時間的にも60分のペナルティタイムは越えていたし、無理した所でプラスにはならないと判断し、とりあえず、この時点でリタイヤする事に決めました。
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・・とは言っても、こ~んな日高の山の中で、「やめます~。」 って言った所で、すぐに止められる訳もなく、とりあえずはパドックまで帰らなければならない訳です。
町牧エンデューロテストは、コンディションの悪化により、みっちーが入った直後にクローズとなっていた様で、みっちーより後に到着をしたCWクラスの選手とかは、町牧コースには入る事なく迂回となってた様でした。
そんな訳で、マーシャルさん2人は、コース上に残っている選手の救出を行いながら、ゴールを目指していた訳でして、みっちーも、マーシャルさん2人と一緒に移動して行く事になりました。
・・っつー事で、そこからは完璧な護衛が付いた状態で、ちょっと無理そうな所とかは、マーシャルさんが代走してくれて、みっちーはそれを見守る・・と言うパターン。
マーシャルさんの1人がセローに乗って下さって、もう1人のマーシャルさんが、「こーゆー所は、あーゆーラインを選べばいいんだよ。」 と、説明までして下さったから、マジでめちゃめちゃ勉強になりました!
その後、何人もハマっている難所の所に出くわした時には、マーシャルさん2人はリュックの中からロープを出して、ハマってるマシンを引き上げる・・と言う作業を始め、
自分を含む何人かが、それを見守っていた訳ですが、、一緒に見ていた男の人が、「まるで、八甲田山だな・・。」 と、呟いたのが妙にウケ、みっちー的にはその坂を、「八甲田の坂」と勝手に名付けておきました。(笑)
ちなみに、そんな八甲田の坂も、全日本クラスの選手とかは、他の人が通らない様なラインを見つけて、そこをクリアーして行く訳で・・、見事クリアーして行く度に、「かっけぇぇ~~~♪」 と、拍手をしながらギャラリーと化してたみっちーです。
そして、スタックしていた全員を無事に送り出した後、マーシャルさんが、「乗っていいですか?」 って言って、セローで一気に上って行くの。 それが、あまりにもカッコ良くって、マジで惚れ惚れしちゃいました。
町牧コースの最後には、とっても厳しい下り坂があったのですが、その手前からショートカットが出来るとの事で、みっちーは、他にリタイヤする人達と合流し、マーシャルさん1人に引率されてパドックへと向かったのでありました。

それにしても、コースを走行しているうちはそんなに気にならなかったけど、一般道に出た途端、寒くて・・寒くて・・、ガタガタと震え出すくらいでした。
全身、ずぶ濡れだったしね。 雨も結構降ってたから。
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本部に戻って、リタイヤをした旨を伝えて、すぐさま救護に行きましたが、とりあえず、縫う程ではないとの判断で、よーく洗って傷パワーパッドを貼っておく事になりました。
救護から戻って来た所・・。

ちなみに、怪我した時の為に・・って、いつもトランポに積んでおいたんだけど、傷パワーパッドを1箱持っていて良かったわぁ~。
・・しかしながら、ホッとしたのも束の間。
リタイヤをした場合、本来ゴールとなる時間+1時間以内にバイクを整備して、再車検を受けないと、翌日走る権利がなくなるらしいのです。
走るにしても、走らないにしても、とにかく車検は受けておく様に言われた為、それから洗車の列に並び・・、並んでいる間に、割りピンが抜けて取れ掛かっていた左ステップを直し(て頂き)、何とかざ~っと洗車を終わらせ、ガソリンを給油し、タイムアウト数分前にギリギリで車検を受けたのでした。
しかーし、みっちーの車検が終わったその直後にアナウンスが入り、「洗車待ちで時間が掛かってかなりの選手が1時間では間に合わないゆえ、2時間に変更します。」 と。
・・って、もうちょっと早く言ってよ~~~。
時間に間に合わないと思って、頑張ったのに。
・・って、こーゆー事も「運」ですよね。 自分が町牧に入ってから、そこが閉鎖になった・・ってのも、「運」だろうし。
ちなみに、色々助けて貰えたのも「運」だと思う。
CWクラスの他の選手は、ハマって大変だった時、マーシャルさんをずっと待ったそうですが・・、待てど暮せど来なかった・・って。
そりゃぁ、みっちー1人で2人も独占してたから。。
・・ごめんなさい。
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ちなみに、この日、CWクラスは全員DNFでした。
全日本のIAクラスは流石に完走率は高かったけど、IBクラスの完走者は半分くらいだった訳で、、更に言うなら、全日本のナショナルクラスで完走したのは45人中5人とか?
日高の歴史に残るくらい、大変な1日となりました。
ちなみに、それぞれのクラスで周回数が違うので、IAやIBの選手はこのコース(1周50km)を4周もして来た様ですが・・、
とりあえず、明日は1周でもいいから自分の力で走って来たい・・と、思うみっちーなのでした。
つづく。

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