エビス戦レポ

モタードレース参戦記

6月26日(日)、レース当日は朝から雨。 前日まで曇りで出ていた天気予報は、案の定一転してしまうのでした。
宿で朝食を済ませてから、一同エビスサーキットへ。 スリックを履かせていたリヤタイヤを交換しなくちゃいけない事が、ずっと気になっていましたが、ピットに着くとオータさんが作業を始めてくれていました。


お陰でサクっと準備も終わり、ブリーフィングに出席した後、計測機受け取って走行準備。
去年のレースでは、moto2と、moto1OPENが混走にされていましたが、今年はちゃんと別々のクラスでのレース。
moto2クラスのハダさんと、moto1OPENの自分との時間が重なる事が無いから、とっても有り難いのでした。

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【公式練習】
とりあえず、新作レインの感触を確かめながら走り始める~。
でもね、「良いよ♪」・・って聞いてた前評判通り、何か凄く感触が良くて、安定感がある・・って言うか、、とにかくとってもイケそうな気分にさせられるのでした。
ま・・、ダートの走りは相変わらずなんですけど・・ね。(笑)
そして、タイムが・・1分23秒42。
moto1OPENクラスの中では1番タイム。
クラスは違うけど、今年のエリア組の中ではダントツの速さを誇っている、CPsportsのマコ君とも、殆ど変わらないタイム?!

・・で、2番手に、SAAIracingの選手が入り、1分24秒7。 3番手に、simさんが1分25秒5で、4番手に、まーくんさんが1分26秒4で入るのでした。
3人で表彰台に上がりたいね・・って言っていたのに、2番手に食い込んで来たSAAI選手のチームの方が、何かとっても手強そう。。
まぁ、朝の練習走行だからね。 まだまだ他の選手の人達も、三味線弾いているだろうし。 次の予選で、何処までタイムを詰められるか?!、ここからが勝負。
とりあえず、1秒以上の差はあるけど、オチオチしてられないな・・って、気を引き締めるのでありました。
「あんなにダートが遅いくせに、何処でタイム稼いでいるんだ~?! どっかで、ショートカットでもしてるんじゃね??」 って、オータさんからは疑惑の目を向けられたけど、
「ふんっ。 ジャンプを飛んでないだけで、その手前のダート部分はめちゃめちゃイケてる走りなのよっ。」 って、思わず大嘘ついてみる。
「ジャンプなんて、飛び過ぎない方が速いのよっ。」 って、苦し紛れに言ってみたけど、「全く飛んでいないしー。」 「見るからに遅いしー。」 って、あっさり否定されちゃったよ。

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【予選タイムアタック】
前の日よりも雨が降って来ていたので、ミディアムレイン?のタイヤを履いてたsimさんは、溝を掘り足し対策を取っておりました。
そのアドバイスを受け、ハダさんも自分のタイヤに溝を掘り足す。
そして、10分間の予選タイムアタックですが、simさんが一番乗りでスタート待ちの列に付き、何としてでも順位を上げてみせる・・って、気合い十分。
みっちーも、それに続いて2番手入り。
スタートと同時にsimさんがコースイン。 すぐに後ろに付いてしまうと自分が走り難くなっちゃうから、若干間隔を開けた状態でコースインして行きました。
視界に入る程度の距離を保ったまま・・、simさんがかなりペースを上げている事を確認しつつ、、
でも、少しづつその差を縮めて行ける事を、自分で確認しておりました。
中盤、simさんが前を譲って下さったので、今度は自分が前に出てタイムアタックしてみたけど、間もなく他の選手の方と絡む状態になって来たので、ラインから外れて減速する。
最終コーナーのあたりで、前車との距離を確認しながら・・、この1本でタイムを出してみせる・・って思って、気持ちを集中させて行き・・
ホームストレートに向かって、加速!!
何をやれば、タイムを上げる事が出来るのか? ジムカーナで培って来た経験で、おおよそ検討は付いている。
あとは、この・・1本にかける集中力!
無理はしない。 ミスはしない。 無駄にアクセルは開け過ぎない。 横にではなく、確実に前に・・前に・・、タイヤを最短で転がしながら、マシンを走らせるのでした。
そして、タイムは、1分21秒82♪
ポールポジション獲ったよ~。

練習走行のタイムから1秒6、タイムアップさせる事が出来ました。
でもね、後で聞いてみたら、途中まではsimさんの方がタイムを出していたんだって。 みっちーが最後に出したタイムで、それを塗り替えた・・って。
見ていた方は、最後の最後の瞬間までハラハラだった様でした。
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休憩時間、レースクイーンのお姉さんと記念撮影♪

決勝までの間には、オールスター戦のヒートレースが入るので、結構時間がある状態です。 本当は、オールスター戦の方のレースも観戦していたかったけど、自分のやるべき事を優先。
「Shiro号」を洗車して、エアクリ替えて、キャブのガソリンもちゃんと抜いて・・、エンジンの調子もちゃんと確認。

決勝用に用意しておいたゴーグルには、新品のレンズを入れておきました。

・・で、せっかくポールを取ったんだし、今回はちょっと結果も残せそうな気もするから・・と、グリッドでウォーマー巻いて欲しい~って、オータさんに懇願する。
「え~っ。 巻くんっすかぁ~? この雨の中~?」 って、ブチブチ言っていたけどね、まぁ、この事でオータさんは、決勝グリッドで最高にイイ思いをする事になるのでした。(謎)
・・と言う事で、moto1OPENのレースに備えて予行練習しておこう・・って事になり、先に行われたmoto2のレースで、ハダさんのウォーマー巻きをしてみる事に。
ピットが端っこの方だったので、その辺り、ちょっぴり都合が良かったかも・・です。

ちなみに、ハダさんは2番手グリッドからのスタートでしたが、1台抜かれて3番手となり、決勝では3位入賞となりました。
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【moto1OPEN決勝】
予選の時より、激しくなって来ていた雨。
決勝だから・・と、気合を入れてカッパを脱ぐ人も居たけれど、みっちーは、つなぎの洗濯が大変になるから・・と、決勝レースでもカッパは着たまま。
グローブは、まだ新しくて白いのを決勝用に用意したけど・・、ここで汚してしまうのが勿体無い様に思えてしまって、、まぁ・・いっか、、って、二日間使ったヨレヨレ状態のグローブで行っちゃう事にしたのでした。
・・で、いざ出陣!
キーをONにしてセルのボタンを押したのですが、、この期に及んで何でだか?!、マシンがウンともスンとも言わない?!
他のみんなは荷物を持ってグリッドの方に移動していて、自分の周りには誰も居なくて、バイクのエンジンが掛からなくて、、一瞬にしてみっちーは血の気が引いて行くのでした。
「せっかくのチャンスを目の前にして、スタート出来ずに終わっちゃうの??」
バッテリー上げちゃったかな? でも、キーはちゃんとOFFになっていた。 そもそも、新しいバッテリーだから、そう簡単には逝かないだろうし。
冷静になって考える。
手元をじぃーっと見渡して・・
「あ!!! キルスイッチだっ!」
そして、無事にエンジンが掛かり、胸を撫で下ろすのでした。
心臓が止まるかと思ったよ。
そして、スタートグリッドへ。
去年のエビスのエリア戦でも、ポールポジションを取ったから、2年連続でのポール獲得♪
去年は1人でポツンと立ってたポールポジションだったけど、今年は旦那が傘持ちしてくれて、オータさんがウォーマー巻いてくれてるよ。 しかも、ポールにはレースクイーンの傘持ち付き。
でも、みっちーには傘は必要無かったから、レースクイーンはオータさんに譲ってあげる事にしました。(笑)
「ウォーマー巻いてくれてるお兄さんが、雨に濡れちゃって可哀相なんで、傘に入れてあげてください。」 って。
決勝グリッドでレースクイーンと相合傘しているオータさんは、「いい匂いがするなぁ~。」 とかって言いながら、めちゃめちゃ幸せそうでした。
そんな、オータさんにとっての幸せな時間は、あっという間に過ぎて行き・・、そして、1周のサイティングラップ。
本気になる必要は無いけれど、予行練習を兼ねたスタート。
集中をして1コーナーに飛び込むつもりでいたのにー、濡れて伸び伸びになってたグローブの中で思わず指が滑ってしまい、思いっきり失敗した~。
「しまった。 やっぱり、グローブは交換しておくべきだった。。」 って、ここで思っても後の祭りなんだけど。。 かなり後悔しておりました。
勢いよく1コーナーに飛び込んで行った、simさん。 真後ろを追い掛けてしまうと、ダートで泥水を浴びせられて、せっかくのゴーグルが汚れちゃうから、十分間隔を空けながら路面コンディションを確認しつつ、1周走って来るのでした。
勝負は、スタート。 1コーナーに先に飛び込めた方が勝ち。
オールスターのヒートレース後だったから、案の定、ダートはかなり荒れていた。 特に今年はクラッシュアスファルトが殆ど敷かれていなかったから、掘れまくってるし、土は滑るし・・、かなり神経を使う状態になっていました。
それでも、今年は第2ダートが無かったから、前にさえ出れば逃げ切れる。 そう・・、信じて。
そして、スタート!
余計な事は考えず、とにかくシグナルの反応に集中! そして、1コーナーに向かって加速!
ホールショット、取ったよ~♪ あとは、集中力を切らさずに、8周走り切ればいい。
追い付く所と離れる所は、散々後ろから走りを見て来てお互い分かり切っている。 でも、追い付かれても抜かれるまでには至らない事も分かってる。
大丈夫。 自分がミスさえしなきゃいいんだ。
焦る気持ちは何処にも無かった。 先頭を走ってる事が楽しかった。 雨のエビスは嫌いじゃない。
唯一、後悔したことは・・、ファイナルが1Tショートだった・・って言う事。 練習の時から感じていた事ではあったけど、鼻っからスプロケ交換する気がなくて、1枚も持って来なかった事に、ちょっぴり後悔致しました。。
「残りの周回数だけ出して欲しい。」 って、オータさんにお願いをしておりましたが、意外と早くに「残り2周」の表示が出され・・、その後、段差のコーナーの所で、チラッと視界にsimさんのフロントフェンダーが見えたので、「意外に近くに居るんだなぁ~。」 って思って、ペースを上げてみました。
しかーし、2周走っても、チェッカーフラッグは振られず・・。
そのタイミングが、残り1周の状態で・・、あと1周、逃げ切れば優勝~って思った所で、前方にバックマーカー!!
どのコーナーで追い付くのか?、ドキドキしながら走り続け、最終的にコークスクリューの直前でバックマーカーに追い付いた。
そして・・、トラウマが甦る。。
去年のレースも、残り1周・・って言う所で、バックマーカーに道を阻まれ、そして大きく順位を落とした。 今、真後ろにsimさんが居るこの状況で、抜き方1つ間違えたら完全に逆転されてしまう。
ここは、どぉーしてもラインを譲って貰わねばっ!
みっちーは、叫んだよ。 今まで何処のレースに出ても、一度たりとも口にした事は無かったけど、今回だけは躊躇しないで叫んだよ。
「どいて! どいて! どいてぇ~!!」 って。
もう、夢中だった。 必死だった。
だってさ、エリア戦初優勝のチェッカーフラッグが、目の前に見えていたんだもん。
声が無事に届いたみたいで、自分の目の前のラインが空いた。 「ありがとう。」 心の中で呟きながら、空いたラインに飛び込んで行く。
そして、最終コーナーをアクセル全開で立ち上がる!
チェッカーフラッグは間違いなく、私に向かって振られたよ。 2位のsimさんとは、0.8秒差の1位。
優勝・・、したんだ。
優勝・・?
したのかな?
優勝した・・って分かっていても、何か実感が沸かなくて・・、でも、コースを1周してくる間、各所のマーシャルの人達が、本当に大きなアクションで祝福の拍手を贈って下さり・・、その事で少しずつ自分の中でも嬉しさが込み上げて来るのでした。

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車両保管になり、泥だらけのまま表彰式。
3番手を走っていたホカリさんが、途中でエンジンが壊れてリタイヤ。 4番手だったまーくんさんが、3位入賞になっていた。
3人で表彰台に上がりたいね・・って話していて、それが実現した事も本当に嬉しかった。

エビスのシャンパンは美味しいから、半分くらい飲むのに残そうと思っていたのに、嬉しくって殆ど全部ぶち撒けてしまいました。(笑)
トロフィーと抱え切れないほど沢山の副賞を頂いて、ポールポジションの傘も頂いて、練習1位、予選1位、決勝1位、そして決勝でのベストラップもしっかり押さえられた事が本当に嬉しかった。
多分、どれか一つでも欠けていたら、この気持ちにはならなかったかもしれないなぁ。
去年のSUGOで骨折して、治すのに10ヶ月も掛かってしまったけど、そんな時間も決して無駄ではなかったのかもしれないなぁ・・って、思えたエビス戦でした。

サポート頂きました皆さま、本当にありがとうございました。
とりあえず、結果を残す事が出来て、ちょっぴりホッとしました。
おしまい。

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コメント

  1. みっちー より:

    >キムさん
    ありがとうございます。
    基本的に、人と絡んでタイムを出して行くタイプじゃないので、タイムアタックはいつもこんな感じなんです。
    でも、絡んでタイムが上がる方が、レースには強くていいですよね。(笑)
    >simさん
    お疲れ様でした。
    良い競り合いが出来て、とっても楽しかったです。
    タイムアタックは多少自信はあったけど(笑)、本番では1コーナーで前に出られたら負けるなぁ~って思っていたので、私も頑張りましたよ。
    次回も楽しいレースが出来るといいですね。
    また、よろしくお願い致します♪

  2. sim より:

    一撃必殺のタイムアタック!!
    simのタイム敗れたり~(笑)
    ってお見事でした。
    今度はオイラもまねしちゃお~っと♪♪

  3. キム より:

    予選の走り方、とても参考になりました。
    気合いばかりが先行せず、抑えるべきところをしっかり押さえたスマートなやり方ですね。
    女性らしい奥ゆかしさも感じられ、好感が持てます♪

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