H.T.D.E.1日目(前編)

オフロード

9月19日(土)、いよいよ「日高スリーデイズエンデューロ」の初日を迎えるのでした。
ちなみに、日高のエンデューロ(H.T.D.E.)は31年の歴史があるとの事ですが、去年まではツーデイズのレースだったんですよね。 それが今年は初のスリーデイズ開催で・・、同じ「H.T.D.E.」表記でも、「T」の意味が「Two」→「Three」に変わっているのであります。


・・と言う事で、これから3日間、日高での戦いが始まります。
パドックに行くと、金曜日の午前中には到着予定だった方々が、夜遅くに到着された・・との事で、朝の車検を受けるべく準備をしている所でした。

そう、この時は、雨は止んでいたんですよね。
コンディションは良くないにしても、とりあえず、雨には打たれず走れるのかな~って、期待をしていた訳であります。
・・で、車検場。

前の晩が雨だったから、あえて車検を朝にした人も多かった様で、朝の車検場は、かなり混み合っておりました。
この場所に、一晩おく事を考えたら、テント下で保管した方が良かな~とは思うけど、でも、朝の慌ただしさを考えると、やっぱり前日車検の方が、ゆとりがあってイイかな?

ちなみに、白地に赤数字ゼッケンのこちらの車両が、CWクラス(女性クラス)のメンバーで、みっちーのセローの他に、セロー225がもう1台(本当は、エントリーリストの時点では2台)いました。

・・っつーか、セローでエントリーしている人が居たから、自分もTC85からセローへの変更を決意したのですが、、
1台は直前に出場キャンセルされたそうで・・、もう1台居たこのセローも、レースが始まってすぐに姿を見なくなり・・、結局セローで走っていたのは、みっちー1人だけでした。。
~~~~~~~~~~
朝のブリーフィングが行われ、いよいよレーススタートです。
・・と言っても、オンタイムエンデューロは、全員が一斉にスタートをする訳ではなく、3人1組ぐらいずつのグループに分かれて、1分おきにスタートして行く・・って感じです。
パルクフェルメに入る時間も決まっていて、その後バイクをチェック(整備)できる時間も指定されていて、そしてスタートラインに着いてから初めてそこでエンジン始動してスタートして行く・・って感じです。

・・で、エントリーが全部で150台くらい居たので、グループも50組くらいあった訳で、そうすると、一番最後にスタートをするCWクラスの自分達は、最初の組がスタートしてから50分後にスタートする・・って感じなのです。
・・と言う事で、時間に余裕があったので、写真を撮ってみました。
全日本ナショナルクラスの、オータケさん(#229)。

そして、同じ組でのスタートに、ウブカタジャパンのウブカタさん(#241)も居りました。
#226はタカハシジュンさん、#227はオカニワさん。

オンタイムエンデューロのシリーズ戦の場合、ゼッケンの近い人達は、そのシーズンはほぼ同じ顔触れでスタートする事になるみたいです。
そして、#255は姫丸さん。

全日本でも、あえて女性クラスじゃなくて、ナショナルクラスに行く所、めちゃめちゃカッコイイ~って感じです。
ちなみに、IB昇格を目指す場合、ナショナルクラスに出場しなければならないらしく、全日本ウィメンズクラスでは昇格は出来ないらしいのです。
そんな訳で、全日本ナショナルクラスは、昇格を目指す人達の激戦クラスなのでした。(人数は45人くらいだったかな?)

1日目のスタート。 #241ウブカタさん、カメラ目線頂きました~。

・・で、全日本クラスが全員スタートし、その後、承認クラスのB、C・・と続くのですが、いよいよ最後のCWクラスになる頃には、めっちゃ雲行きが怪しくなり、結構激しく雨が降り出すのでありました。
みっちーが今回一緒にスタートするのは、#566楽さんと、#597テヅカさんです。

セローのエンジンは割とサクっと掛かってくれて、日高を熟知している楽さんに付いて行く形で、スタートして行くのでした。

~~~~~~~~~~
まずは、最初にスタートしてから、目指すのはTC1(タイムチェックをする所)。 通称、「密石TC」と呼ばれるチェックポイントです。

・・で、スタートをして、まずはスキー場の坂を上って行くのですが、この坂の途中で、既にスタックしている人が何人か・・。
ラインを選びながら、スタック車両を避けて上って行きましたが、85や100でしかこーゆー所を走った事のないみっちーには、安定して上り続けて行くセローにちょっと感動するのでした。
しかーし、感動に浸っているのも束の間で・・、その後、林道の下りに入ると、あっという間に走行不能な状態に・・。
履いてたタイヤがツーリストで、トライアル向けのタイヤゆえ、雨とか泥には弱いよ・・と聞いてましたが、完全に泥が目詰まりしてしまい、ツルっツルな状態に。
それゆえ、みっちーの技量では、何をしても滑る・・、滑る・・。
とりあえず、倒したセローを必死で起こし、乗らずに押しながら進んだものの、また倒し・・
泥まみれになり、フラフラになり、それでもどうにか下り区間が終わる~ってトコまで来た時に、またしても、バイクを倒してしまうのでした。
スタートしたばかりと言うのに、かなりヘロヘロ状態で、しかも3回目に倒した場所はめちゃめちゃ足場も悪くって、倒れたセローに手を掛けて引き起こそうとしたものの、不用意に自分が滑ってセローの上に手を着く形で転んでしまったのでした。
・・で、その、左手を着いた場所が悪かった・・。
セローには下回りに金属製のアンダーガードが付けてあったのですが、倒れているセローのその部分に体重が乗る様な形で、手を着いてしまったんです。
あまりに不用意だった自分に、一瞬、しまった・・と思ったけど、時・・既に遅し・・って感じで、、明らかにアンダーガードの側面に刺さってしまった左手を恐る恐る見てみたら、グローブの手の平が切れていて、その奥から鮮血が・・。
手の平をえぐる形で、ちょっと深く切った感じ・・。
打撲や捻挫や、擦過傷なら、走っていてもよくあるけれど、こんな場面でこんな流血は、した経験が無い訳で、、
とりあえず、バックに入れていたウエス(←まだ綺麗)で傷口を押さえながら、セローのキーとコックをOFFにして、横たわったセローの横でしばし佇んでおりました。
すると、後から来た選手の方が止まって下さり、怪我してバイクを引き起こせない旨を伝えると、一緒に引き起こして下さって、何とか落ち着いて来たみっちー。
左手の方も、大分出血も止まって来たし、ここに立ち止まってる訳にも行かないので、予備で持ってたグローブに替えて、走り出す事に致しました。
・・で、少し行くと、何台かがスタックしているポイントに・・。
前が詰まってて止まった事で、自分自身もスタック。。 止まって待っているついでに、タイヤの空気圧を少し落としてみました。
その後、端にバイクを止めてた選手が(バイクが壊れてリタイヤとの事)、セローを押して下さって、何とかぬちゃぬちゃを脱出した訳ですが、目の前にはイヤラシイ間隔で並べられてる丸太の列が・・。
路面コンディションが悪くなければ、普通にポコポコと丸太を越えて行くだけ?・・ですが、みっちーが行った時には、丸太と丸太の間の地面がどこも全部掘れていて、とてもじゃないけど、そのセクションを越えられるイメージは沸いて来ませんでした。
・・で、ふと、右側の方を見ると、何か・・行けそうなラインが見えた?
・・っつー事で、そこにいらしたマーシャルさんに、「そっちのラインって行けますか?」 って聞いてみたら、「1人だけ行った人がいる。」 って教えて下さったの。
どうせハマるんなら、丸太よりそっちの方がマシだろう・・と思ったみっちー、「そっちのラインに行ってみます!」 と、セローをそっち向きに振ってもらい、意を決してチャレンジしたら、ハマる事なく抜けられた~♪
「おぉ~!」 って、マーシャルさん達にも拍手を貰えて、ちょっぴり嬉しかったです。
「ここから先はTC1まで難所は無いから、頑張って。」 そう告げられて、また走り出していきました。
~~~~~~~~~~
そんな感じで、密石TCと呼ばれる、最初のタイムチェックに到着~。
本来、スタートしてからここまでは24分で到着しないとダメだったのですが、56分も掛かってしまい、初っ端から32分の遅着です。
まぁ、そもそも、オンタイムでは走れない・・って思っていたので、遅着は構わないのですが、遅着の合計が60分をオーバーすると、そこで失格になるらしく、既に最初の1区間で、持ち時間を半分以上使ってしまっておりました。
TC1の密石TCから、TC2の宮川TCまでは、ほぼほぼ公道区間です。 そして、持ち時間は11分ほどありました。

「公道だからってあんまりゆっくり走っていると、時間なくなるよ。」 って聞いてましたが、タイヤエアーを落とした事が気になって、あまり飛ばさずマイペースで走っていました。
曲がるポイントには、お巡りさんやら、自衛官やら、このレースに協力をして下さっている地元の方々が沢山いらして、誘導をして下さいます。
何か、町中に見守られながら、走っている・・って感じです。
しかーし、国道に出る時に、たまたまトレーラーが渋滞を作って走って来て・・、それが通過するまでは誘導して貰えない状態になり、結構な時間、待たされて・・
「まさか、公道区間でまで遅着か~?」 と、セローに付いてる時計を気にしつつ走り続け、TC2に到着~。(リンクしてあったアルバムから写真を頂きました。)

セローの時計ではタイムオーバーだったから、そのままTCに飛び込もうとしたけれど、チラっと目に入ったTC手前の電波時計が、「・・分57秒」 ってなってた気がして、慌ててそこで急制動~!
ラインでピタリとセローを止めて、再度時計を確認したら、やっぱり3秒前だった訳で、危なく無駄に早着しちゃう所でした。 (早着しても、早着した分の時間はペナルティとして累積されます。)
・・と言う事で、しっかりと時計を確認して、オンタイムでクリア。
「見事な急制動でしたね。」 って、スタッフさんに褒められました。(笑)
~~~~~~~~~~
TC2の宮川TCから、TC3の西山TCまでは、34分の持ち時間。
スタート直後、すぐに分岐があって、C・CWクラスは真っ直ぐ行って、それ以外のクラスは難易度の高い「宮沢の沢」に行く・・って事になってましたが、、宮沢の沢は物凄い状態になってたそうで、終盤には全てのクラスがCクラスと同じルートを走る様になっていました。

「本多の森」から沢を抜けて、「杉原MX」を通り、「林道西山線」を通るこのルートは、比較的走り易いルートでした。
いや、、その時は、必死だったんだと思うけど、3日も走ると初日の記憶が既に薄らいでいる・・と言うか、とりあえず、バイクを倒したら起こせない・・って思っていたから、全てを慎重に走っていて・・、大きな失敗をしなかったから、走り易かった・・て思っただけかもしれないです。
しかーし、西山林道を走っている時に、噂に聞いていた恐怖が襲って来るのでした。
静かだった林道に、近付いて来るバイクの音!
「きっ、、来たっ!!」 と、思わず、身構える。
しかーし、後方を確認している余裕も無いまま、ビクビクしながら走っていたら、赤ゼッケンが次から次へと現れて、みっちーを抜き去って行く訳であります。
おやきツーリングのジュニア隊なら、「これぞ待ってました~♪」 ・・って状態なんだけど、この時は、とてもそんな気分ではなく、もう、マジで、恐怖におののく小動物の気分でした。
しかも、恐怖はこれで終わりじゃなかったのよ。。
TC3の西山TCが見えて来た~と思ったら、その手前で、ずらっとさっきの速い人軍団がくつろいでいらした訳であります。
持ち時間がそれぞれの選手で決まっていて、速い人達は余裕を持って着いているので、時間になったらTCに入る~って感じで、時間調整をする訳です。
・・で、その光景(どんな光景だったかはナイショ。笑)に、ちょっと驚き、TC3の手前にあった電波時計も見る事なく、そのままタイムチェックに飛び込むみっちー。 どうせ、大幅に遅着だと思っていたから、あまり気にしていませんでしたが、何と1分遅れただけ・・と。
タイヤエアーを落とした事で、随分と走り易くもなって来たし、もしかしたら60分はオーバーしないで済むかもしれない・・と、思い始めて来るのでした。
~~~~~~~~~~
TC3の西山TCから、TC4のクリーンセンターTCまでは、前半は舗装路を走行し、最後に沢渡りの難所がある・・って言うルート。

難所の所は、1ヶ所下りで怖かった所はあったけど、慎重に行ったら何とか行けて・・
沢に関しては、タイヤがツーリストだったせいか、石とか砂利とかが気にならないくらいに走り易くて・・、更には、川の水でタイヤの泥が落とされるから、滑りまくる事もなく、結構楽しく走れていました。
手の平の痛みも、走ってる時は忘れられたし。
そんな訳で、クリーンセンターTCにも、確か遅れずに着けたかと。
そして、いよいよ、最後の難関となるのですが、
長くなったので、後編につづく~。

0
タイトルとURLをコピーしました